界には様々な国があり、様々な暮らしがあります。その中に今の私たちが見落としがちな何かが隠れていたりするのではないでしょうか。世界はどんどん狭くなってきていて、普段の生活の中にも他の国でつくられたものをずいぶん使っています。例えば、衣料品には必ず商品表示がついているので、それを見てみると、いろいろな国の名前が出てきます。でも、画一的に作られた商品は表示を見ないとどこの国でつくられたのかわからないし、そこにある暮らしも見えてきません。もしも商品の中に少しでもその国の匂いが残っていたら、人間味が残っていたら、モノを通して世界が見えてくるのかもしれません。
英国で生まれたボーンチャイナ
透き通った白色、滑らかな光沢は世界中で愛される良素材です。
「Found MUJI(見つけられたもの)」と題され、2年ほど前から無印良品有楽町のみでご紹介してきた活動があります。世界中の日用品を勉強し、無印良品のフィルターを通してお客様に発信していくというものです。参考にしているのは、地域の伝統的なものや、日々使うことの積み重ねで手になじむかたちになったもの。その地域で取れる素材の特性・機能を最大限に利用したものなど、長い時間をかけて完成された普遍的な定番商品です。その一部が、6月から全国の大型店でもご紹介できるようになりました。
インド綿クッション
ドーティの生地を用いたキルトの他、ざっくりとした手織(畦織、二羽織)の生地もあります。
ドーティというインドの民族衣装を知っていますか。南インドの男性が腰に巻きつける伝統的な衣装であるドーティは細番手のしなやかな生地で作られています。インドは綿の生産地として世界的に有名で、綿織物の宝庫です。このドーティの生地のしなやかさと温かみを残して、何か別な商品に使えないかと考えたのが、キルティングクッションカバーです。クッションに必要とされる肌触りやぬくもりがこのキルティング生地には生かされています。
積層合板トレー
表面はメラミンで加工してあるので、耐久性があります。
バクバクのバスケット
ごつごつした感じが逆にあたたかい商品です。
北欧では積層合板が道具としてよく使われています。無印良品の家具でもおなじみの素材ですが、ヨーロッパではトレーなどにもよく使われています。軽くて丈夫なので、普段使いに最適なのでしょう。南の国であるフィリピンではマニラ麻が重宝されています。麻は一度植えると脇芽が出て、安定して育成するので、持続的可能な植物だといわれています。このマニラ麻は茎の各部分がそれぞれ違った繊維の特性をもっていて、様々な用途に使われています。中心に近い部分であるアバカはロープやマット、バッグに使われることでも有名です。そして実は日本の紙幣の原料としても使われているそうです。外皮はバクバクといい、繊維が太く、色が濃いのが特徴です。Found MUJIでは素材の面白さが一番でているバクバクの部分を使ってバスケットを作りました。
Found MUJI で大切にしているのが人間味です。実際の生活に根付いた日用品には、それぞれの地域の伝統、技術、知恵が詰まっています。それらを大切にしていくことは、その国の人たちへの尊重にもつながるのではないでしようか。それらを尊重し、そのモノたちが与えてくれる豊かさ、心地よさ、うるおいなど、国を超えて共有したいと無印良品は考えました。モノを通して他の国の文化を知り、繋がっていく。素敵な関係がそこにはあります。(環境担当 TA-eco)
Illustration:atelier GRIZOU(アトリエ・グリズー)/小野千寿とGregoire Dentanによるデザインユニット。無印良品有楽町のスペース、ATELIER MUJI展示会の企画運営などを行なっています。
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