「無印良品 直江津」 コミュニティマネージャー 古谷 信人さん、店長 林 昌宏さん

左:無印良品 直江津 コミュニティマネージャー 古谷 信人さん
右:無印良品 直江津 店長 林 昌宏さん

 7月20日(月)に、世界最大級の面積をもってオープンした「無印良品 直江津」は、“くらしの真ん中になる”ことをテーマに、地域のコトやモノなど、魅力を詰め込んだ店舗です。昨年6月に社内で「直江津プロジェクト」が立ち上がってから、社内研修「暮らしの編集学校」や、地域で100年続く朝市への出店などを通して地域との交流を深めてきました。今回は「無印良品 直江津」コミュニティマネージャーの古谷さん、店長の林さんの登場です。

■それぞれの役割
【古谷さん】
 私は主に店舗の外での活動を担当しています。「なおえつ良品市場」で連携している地域のJAさんとのやりとりや地元の酒蔵の方々とのやりとりに始まり、これから具体的な形になっていく移動販売バスやアートプロジェクトに関わっています。私は「直江津プロジェクト」として昨年6月からコミュニティマネージャーに配属となり、たくさんの方々とコミュニケーションをとりながら、地域で求められているのはどのような店舗なのかを考えてきました。そこで、地域の方が集って自然とコミュニケーションがとれる“くらしの真ん中”になるような店舗をつくりたいと考えました。毎日のくらしに欠かせないのはやはり“食”なので、この店舗では食を充実させています。

【林さん】
 私は店長として、売場や人をマネジメントしています。古谷さんが構想したことを、実際に具現化して店舗のオペレーションに落とし込んでいくのが自分の役割です。世界最大級とこれまでに経験したことのない広さの店舗ですし、新しいコンテンツも多くあります。また、この店舗では「カルディコーヒー」「久世福商店」「スターバックスコーヒー」と、パートナー企業にもサブリースの形で出店いただいていますので、テナント運営の管理も行っています。これらを健全な状態で運営していくためにはどうすべきかということを常に考えています。

■地域の方々とのつながり
【古谷さん】
 5月から出店している朝市などで会う地域の方々や、なおえつ良品市場を通して出会った方々など、多くの方とつながることができました。そこで感じたことは、とにかく皆さんコミュニケーションをとりたくて仕方がないんだなということです。そういう方々が気軽に集って、楽しくコミュニケーションをとる場になれたらとても嬉しいです。
 また、今回「なおえつ良品食堂」というフードホールを、初の直営で運営しています。営業本部外食運営課のメンバーと連携し、地域の素材を使って開発したり、地域で話題のお店からレシピを教わったりしたメニューを提供しています。現在は直営での運営ですが、今後は地域の方に出店していただける場にしたいと思っています。自分のお店を出店したいけどなかなか一歩が踏み出せないという時の選択肢のひとつになればと思っています。

【林さん】
 コロナ禍で地域にポジティブなニュースがなかなか無い中で、無印良品のオープンに対する期待の声は非常に大きかったです。地域の方々の期待にどこまで答えられるのか、どういうスタートをきれるのか心配な部分もありましたが、その分、地域の方と一緒に店舗を作ってきたという実感があります。1月に締結した包括協定のパートナーである上越市や頸城自動車様はもちろん、たくさんの方々と関わりながら作り上げた新しい挑戦がついに具現化できたことをとても嬉しく思います。
 プレオープン、グランドオープンでは、皆さんとても驚いてくださり「すごいね、素敵だね」とおっしゃってくださいました。誰が見ても驚いてもらえる売場を作れたと思っていますし、それはお客様にも伝わっていると思っています。自分が回って楽しいと思える売場はきっと他の方から見ても楽しい売場だと思っているので、これからもわくわくできる売場を常に作っていきたいです。

■今後目指すもの
【古谷さん】
 様々なことやものがからまる余地がある状態、つまり地域の方が入る余地のある“からまりしろ”を目指したいと考えています。実際にオープンしてみるとそういう部分がまだ少なかったり、伝わっていないのかなと感じたので、案内やツールをわかりやすくするなど、地域の方が入ってこられる雰囲気を作っていきたいです。
 また、すべて完璧で整然とした売場をつくるのではなく、雑多な部分と整っている部分のバランスが大切だと考えています。自分はどちらかというと雑多な部分担当で、林さんが整える担当です。売れ筋ばかりにしぼるのもおもしろくないし、買いやすくしすぎるのもつまらない。「商いは飽きない」、お客様をどれだけ引き付けるか、関心を持ってもらえるかだと思っています。大きな店舗だからこそ、自分で発見する楽しみを感じていただきたいです。

【林さん】
 グランドオープンを迎えましたが、これで店舗が完成したわけではありません。地域の皆さんとコミュニケーションをとりながらお店を発展させ、ずっと成長し続ける店舗でありたいと思っています。
 古谷さんの言う通り、この店舗の特長として市場的な雑多感は必要な要素です。でもそれが“乱れている”とならないように気を付けていきたいと考えています。無印良品の基本的な売場がいつもきれいで整然としていることで、市場の雑多感が映えると思いますし、そういう当たり前のことをきちんと完璧にできている店舗が、お客様が毎日来たいと思っていただける店舗だと思っています。