無印良品「ごはんにかける ふかひれスープ」の販売中止を求めるご意見について
本年3月頃より、全国の無印良品の店頭およびネットストアなどで販売する「ごはんにかける ふかひれスープ」の販売中止を求めるキャンペーンが、インターネットのサイト等を中心に展開されています。
これまで、弊社では静観の姿勢を保ってまいりましたが、この度のキャンペーンにおいて販売中止を求める主張の根拠とされている主たるポイントの中には、一般消費者の皆様に対して誤解と混乱を招くのではないかという懸念を抱かざるを得ないものも含まれており、今般、弊社の見解を以下のように申し上げることといたしました。
今キャンペーンのサイトなどからの引用によれば、販売中止を求める主たる根拠は以下の2つです。
- 「フカヒレスープの需要により殺害されるサメの数は何と年間約1億匹」
- 「同社の利用するヨシキリザメは国際自然保護連合(IUCN)により準絶滅危惧種に指定」
上記、1、2に対する弊社の見解を以下のとおり申し上げます。
1、弊社製品に使用するふかひれは、約70%以上の量が宮城県気仙沼港の他、日本国内にて水揚げされたサメからのものであり、残り30%弱がスペイン産のものです。
この気仙沼港で水揚げされるヨシキリザメは、主にマグロ延縄漁で水揚げされたものであり、その漁獲されたサメは水揚げされたのち、その身は各種練り物製品へ、また軟骨は健康食品、皮革は工芸品等にと、さまざまなものへ利用されています。このことは、弊社商品開発担当者が現地の港にて、サメの水揚げから加工までの工程を実地検分にて確認が済んでおります。
すなわち、弊社製品に使用されているふかひれの入手方法は、一部の地域で行われているようなFinning(ヒレだけを取るためにサメを殺戮し、その他の部分は海上で投棄する)によるものとは明らかに一線を画す手法であり、同一視されるべきものでもありません。
なお、弊社では原料のトレーサビリティーを一層向上させるため、出来るだけ早い機会に全ての原料を国産のみに切り替える方針ですが、現在使用しているスペイン産につきましても、すでに1年前よりヨーロッパとアメリカでもサメのヒレを切り離してリリースすることは禁止されていますので、ふかひれは日本のものと同様の入手方法です。
2、キャンペーンで引用されている国際自然保護連合(IUCN)の「保全状況の評価リスト」では、以下のような分類を採用しています。
絶滅 | 絶滅 | EX: Extinct |
---|---|---|
野生絶滅 | EW: Extinct in the Wild | |
絶滅危惧 | 絶滅寸前 | CR: Critically Endangered |
絶滅危惧 | EN: Endangered | |
危急 | VU: Vulnerable | |
低リスク | 保全対策依存 | CD: Conservation Dependent |
準絶滅危惧種 | NT: Near Threatened | |
軽度懸念 | LC: Least Concern | |
その他 | データ不足 | DD: Data Deficient |
未評価 | NE: No Evaluation |
そこで、ヨシキリザメが国際自然保護連合(IUCN)の「保全状況の評価リスト」における準絶滅危惧種(NT: Near Threatened)に指定されているという現状ですが、こちらは準絶滅危惧種が上記評価リスト上でも低リスクに分類されており、その中でもヨシキリザメは下位に位置づけられています。
更には、日本の所管省庁への確認のみならず、国際的にも何ら漁獲規制のないことは確認が済んでおります。(なお、Finningに関する規制は存在します。)
私たち無印良品は常に生産者の皆様と共に、世界のお客様に向けて最適な商品のご提案に努めております。「ごはんにかける ふかひれスープ」については、以上の理由に加え、生産者である宮城県の気仙沼を中心として行われてきた伝統的地場産業の一助となることからも、販売を継続することが妥当と考えております。
株式会社良品計画 経営企画部 広報課rk-pr@muji.co.jp