企業情報
コーポレート・ガバナンス
INDEX
1. 基本的な考え方
当社は、経営体制および内部統制システムを整備し、コーポレート・ガバナンスを充実していくことが企業価値の継続的な向上につながるとの考え方に基づき、透明性の高い経営システムの構築を図ることを経営の重要課題と捉えています。
そのうえで、経営上のすべてのステークホルダー(株主、お客さま、社員、社会、お取引先など)に対し、円滑な関係の維持・発展に努めるとともに、迅速かつ積極的な情報開示に努めます。
2. 会社の会計上の意思決定、執行及び監督に係る経営管理組織
その他のコーポレート・ガバナンス体制の状況
- 1. 取締役会
- 取締役会は、当社の規模と組織の状況、機動性を勘案し、現在社内取締役3名及び東京証券取引所の定めに基づく独立役員として届け出ている社外取締役5名の体制を採っております。取締役会の監督機能と執行役員による執行機能をそれぞれ明確にするとともに、経営執行のスピードを早めるために、適宜、会議体及び決裁規定を見直すなど権限委譲を進めております。
- 2. 監査役会
- 当社は監査役制度を採用しております。監査役会は現在4名(うち常勤監査役2名)の監査役で構成されており、その内3名の社外監査役は東京証券取引所の定めに基づく独立役員として同取引所に届け出ております。取締役会への出席や重要書類の閲覧などを通じて、取締役の職務遂行について監査しております。また、内部監査部門であります監査室及び会計監査業務を執行する会計監査人とも常時連携をとっております。
- 3. 報酬諮問委員会
- 取締役の報酬等を取締役会に答申する報酬諮問委員会(社外取締役5名[委員長1名を含む]、社内取締役2名)を設置しております。
- 4. 指名諮問委員会
- 取締役の選任等を取締役会に答申する指名諮問委員会(社外取締役5名[委員長1名を含む]、社内取締役2名)を設置しております。
- 5. 経営諮問委員会
- 中長期の経営戦略に関する議論や意見交換、および取締役会の付議事項に対する事前の十分な議論の場として、取締役会と同様のメンバーにより開催しています。
- 6. 内部監査部門
- 当社は、内部監査部門として監査室を設置し、現在8名で構成されています。内部監査部門は、店舗および本部の社内規程・マニュアルの遵守状況、業務活動全般、手続きなどの適切性や有効性を監査し、定期的に取締役会および監査役会に報告しています。
- 7. 会計監査人
- 当社の会計監査業務は、有限責任あずさ監査法人に所属する公認会計士 中田宏高、公認会計士 佐藤洋介、会計監査業務に係る補助として公認会計士11名、その他15名の体制で公正な立場から監査が実施される環境を整備しています。
3. スキルマトリックス・各委員会の構成
※右にスクロールしてご覧ください氏名 | 現在の地位 | 性別 | 取締役会出席状況 (2023年8月期) |
経営全般 | オペレーション | 起業・社会起業 | テクノロジー | 国際性 | 人文・アート | サステナビリティ・ 多様性 |
管理・ リスクマネジメント |
会議・委員会 | 兼任状況 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
取締役会 | 指名諮問委員会 | 報酬諮問委員会 | 監査役会 | |||||||||||||
金井 政明 | 代表取締役会長 |
|
16/16回 (100%) |
◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
|
||||
堂前 宣夫 | 代表取締役社長 |
|
16/16回 (100%) |
◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◎ | ◯ | ◯ |
|
|||
清水 智 | 取締役副社長 |
|
16/16回 (100%) |
◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |||||||
柳生 昌良 | 社外取締役 (独立) |
|
16/16回 (100%) |
◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◎ | ◯ |
|
||||
吉川 淳 | 社外取締役 (独立) |
|
16/16回 (100%) |
◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◎ |
|
|||
伊藤 久美 | 社外取締役 (独立) |
|
13/13回 (100%) |
◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
|
|||
加藤 百合子 | 社外取締役 (独立) |
|
13/13回 (100%) |
◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
|
||||
山崎 繭加 | 社外取締役 (独立) |
|
13/13回 (100%) |
◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
|
||||
鈴木 啓 | 常勤監査役 |
|
16/16回 (100%) |
◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◎ | |||||||
山根 宏輔 | 常勤社外監査役 (独立) |
|
13/13回 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |||||
新井 純 | 社外監査役 (独立) |
|
15/16回 (94%) |
◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
|
||||||
菊地 麻緒子 | 社外監査役 (独立) |
|
新任 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
|
◎は会議・委員会の議長・委員長、〇は出席メンバーを示しています。
菊地麻緒子氏は、2023年11月23日に就任。
伊藤久美氏、加藤百合子氏、および山崎繭加氏は、2022年11月23日の取締役就任後の開催回数および出席回数を記載しております。
山根宏輔氏は、2022年11月23日の監査役就任後の開催回数および出席回数を記載しております。
全取締役に占める社外取締役比率
全取締役に占める女性役員の割合
項目 | 概要 |
---|---|
経営全般 | 当社の取締役会においては、中長期戦略に関する、闊達な議論に基づいた判断が必要です。そのため、業種によらない多様な企業経営に関する知見を必要な項目として選定しています。 |
オペレーション | 当社は店舗を軸とした事業展開を行っており、オペレーションの積み上げが競争力の源泉となります。そのため、小売業、流通業、製造業などのオペレーションに関する知見を必要な項目として選定しています。 |
起業・社会起業 | 当社の企業理念実現のために、起業、社会起業に関する知見を必要な項目として選定しています。 |
テクノロジー | 当社の事業活動において、「道具としてのテクノロジー」をうまく活用したサービスの実現やステークホルダーの方々の利便性向上を目指しています。そのため、デジタルやテクノロジーマネジメントに関する知見を必要な項目として選定しています。 |
国際性 | 当社の企業理念実現のために、これからは店舗展開や商品の生産活動を通じて、海外も含めたさまざまな国や地域に貢献していく必要があります。そのため、国際的環境における経験などの知見を必要な項目として選定しています。 |
人文・アート | 当社の企業理念実現のために、地域における文化や歴史に対する理解や、芸術デザインに対する知見を必要な項目として選定しています。 |
サステナビリティ・多様性 | 当社の企業理念実現のために、サステナビリティや多様性の実現を事業活動の中心に据えています。そのため、サステナビリティや多様性など、社会課題への理解や課題解決に関する強い意欲を必要な項目として選定しています。 |
管理・リスクマネジメント | 当社の企業理念実現のために、人事・労務、ファイナンス、法務、リスクマネジメントなどの知見を必要な項目として選定しています。 |
4. 取締役会の実効性評価
当社取締役会は、当社が定めるコーポレート・ガバナンスの基本方針に基づき、取締役会の実効性について分析と評価を実施しました。その結果の概要は、以下のとおりです。
評価プロセスの概要
-
当社取締役会は、取締役会の実効性を評価するうえで必要と考えられる以下の評価カテゴリーを設定し、取締役および監査役にアンケートおよびヒアリングを行いました。
<アンケートにおける評価カテゴリー>
- 取締役会の構成について
- 取締役会の運営について
- 取締役会での審議充実に向けて
- 取締役会を支える体制について
- 株主その他ステークホルダーとの関係充実に向けて
- その他コメント
-
上記アンケートおよびヒアリングによる、各取締役および監査役の評価をもとに、取締役会事務局がその結果をまとめました。
-
これらに基づき、各課題に対する討議を実施しました。
評価の結果
-
評点の総括
-
<各評価カテゴリーの評点の平均>
※評点は「1」を改善が必要、「3」を必要最低限水準、「5」を適切として、5段階で設定しています。
- 取締役会の構成について(評点平均:4.4)(前回:3.4)
- 取締役会の運営について(評点平均:3.4)(前回:3.4)
- 取締役会での審議充実に向けて(評点平均:3.6)(前回:3.6)
- 取締役会を支える体制について(評点平均:3.7)(前回3.2)
- 株主その他ステークホルダーとの関係充実に向けて(評点平均:3.8)(前回:3.5)
-
評価の結果概要
上記アンケートおよびヒアリングの結果、当社取締役会は概ね必要最低水準を超えていると評価されており、取締役会構成の多様性については改善した一方で、執行状況のモニタリング、また、社外取締役への情報共有などに課題があるものと評価いたしました。
今後の取り組み
取締役会の実効性評価により認識された各課題をもとに取締役会の実効性をさらに向上させるために、今後、以下のとおり取り組んでまいります。
-
中期計画施策の進捗および重要案件の事後報告の徹底によるモニタリング機能の強化
-
次期中期計画について、2030年、2040年を目指した議論の実施
-
社外取締役への提供情報の充実化
-
ステークホルダーとのコミュニケーション機会・開示情報の拡充
5. 取締役会の構成に関する考え方ほか
取締役会の構成に関する考え方
当社は、取締役会がその役割・責務を果たすため、十分な知識・経験・能力をバランスよく備え、ジェンダーや年齢、国際性の面を含む多様性と適正規模を両立させる形で構成される必要があると考えています。
取締役の選任・任期
取締役の選任方針
当社は、取締役候補の指名にあたり、ジェンダーや年齢、国籍および人種といった属性の区別なく、これまでの業務経験、実績、課題遂行能力、人柄などを総合的に考慮し、独立社外取締役が過半数を占める指名諮問委員会によって審議し、取締役会に答申を行っています。また、社外取締役候補の指名にあたっては、出身各分野の経験、実績および知見を有し、経営の専門家であり、当社の中長期的な企業価値の向上に資する意見や判断を有することを考慮し、指名諮問委員会によって審議し、取締役会に答申を行っています。
役員の員数と任期
当社の取締役の員数は、11名以内と定款に定めています。また、取締役の任期は、取締役の経営責任を明確にし、経営環境の変化に迅速に対応できる経営体制を構築することを目的に、2年から1年に短縮することを2021年11月の株主総会において提案し、決議されました。
社外取締役・社外監査役のサポートとトレーニング方針
社外取締役・社外監査役のサポート体制
当社の社外取締役・社外監査役へのサポート体制について専任の担当者は設置していませんが、経営企画部門が、取締役会議案の事前配布などの情報提供を行い、管理部門が社外監査役の職務遂行の補助を行っています。
社外取締役に対しては、執行役員との個別なカジュアル面談として「エグゼクティブセッション」を実施しており、社外取締役への情報共有を強化しています。
また、取締役会の円滑な運営をサポートするため、クラウドの取締役会運営ツールを導入し、機密情報共有における安全性を高めるとともに、情報共有の効率化を進めています。
トレーニングの方針
当社は、取締役および監査役に対し、役員の責任、義務、法的リスク、担当業務のビジネス知識などの習得の自己啓発を推奨するとともに、必要に応じて、社外研修などを実施しています。
社外取締役の独立性判断基準
当社は、金融商品取引所が定める独立性基準をベースにして、「独立性判断基準」を定めております。
また、当社の5名の独立社外取締役は、企業経営の経験者等の経営の専門家として取締役会において率直かつ活発な意見申述をしており、経営に対する監督等を独立した立場で行っております。
<独立性判断基準>
-
過去に当社又はその子会社の業務執行者
-
過去に当社の親会社の業務執行者であった者
-
過去に当社の兄弟会社の業務執行者であった者
-
過去に当社を主要な取引先とする者の業務執行者であった者又は当社の主要な取引先の業務執行者であった者
-
当社から役員報酬以外に多額の金銭その他の財産を得ているコンサルタント、会計専門家又は法律専門家(法人、組合等の団体であるものに限る。)に過去に所属していた者
-
当社の主要株主(当該主要株主が法人である場合には、当該法人の業務執行者等[業務執行者又は過去に業務執行者であった者をいう。]をいう。)
-
aから前fまでに掲げる者(重要でない者を除く。)の近親者
-
当社の取引先又はその出身者(業務執行者又は過去10年内のいずれかの時において業務執行者であった者をいう。)
-
当社の出身者が他の会社の社外役員である場合の当該他の会社の出身者
-
当社から寄付を受けている者(当該寄付を受けている者が法人、組合等の団体である場合は、出身者又はそれに相当する者をいう。)
6. 役員報酬制度
役員報酬制度
役員報酬の決定方針
企業価値向上に向けて、当社の取締役の報酬については、株主総会で決議された報酬限度額内で、固定報酬である役位ごとの「基本報酬」の支給、会社業績に連動した短期「業績連動賞与(STI)」の支給および、長期的な企業価値と株主価値の持続的な向上を図るインセンティブとして長期「非金銭報酬(LTI)」の3種類から構成されています。
また、当社の社外取締役および監査役の報酬については、「基本報酬」のみを支給し、業績により変動する要素はありません。また、役員退職慰労金制度もありません。
報酬構成要素 | 概要 |
---|---|
金銭報酬/基本報酬 | 当社の取締役の基本報酬は各取締役の役位ごとに決定、報酬諮問委員会での審議を経たうえで取締役会にて決定しています。 |
金銭報酬/業績連動賞与 (社外取締役・監査役を除く) |
賞与基準額に乗じる係数である達成度(計画比)支給係数は、当社では本業での利益の追求の観点から「連結営業利益」をもとに算出し、達成度(計画比)の基準により、0%~200%の範囲で決定します。 |
非金銭報酬/譲渡制限付株式 (社外取締役・監査役を除く) |
長期的な視野で重要なESG等の指標の達成度により、役位別基礎額の30%~100%に付与数を変動させる退任直後時点までの譲渡制限が付された株式の付与を行います。 |
決定プロセス
当社の取締役報酬は、社外取締役が委員長を務める報酬諮問委員会にて取締役報酬制度の検討および個人の取締役報酬および非金銭報酬の付与について審議を行い、透明性と妥当性および客観性の確保を図り、報酬諮問委員会の答申に基づき取締役会にて決議をしています。また、報酬諮問委員会は社外取締役5名を含む、7名で構成され、社外取締役が過半数となることでガバナンスを重視した体制にしています。
報酬等の種類ごとの割合
当社の取締役報酬は上位の役位ほど業績連動の比率が高まる割合となっています。
基本報酬/業績連動賞与/非金銭報酬等の比率は、目標を100%達成した場合に、下記の表の構成となるように設計しています。
また、短期「業績連動賞与(STI)」は業績の達成度によって0%~200%、長期「非金銭報酬(LTI)」は目標達成度によって30%~100%に変動するため、比率は変動します。
7. 政策保有株式
政策保有株式について
当社は、政策保有株式を原則売却する方針で、その縮減を図り、進捗については毎年取締役会に報告しています。
また、政策保有株式の議決権行使にあたっては、当該企業の企業価値の向上に資するものであるか、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するものであるか、保有目的に適合するかなどを総合的に検証し、議案ごとに賛否を判断のうえ、適切に議決権を行使します。
8. 株主との建設的な対話
株主との建設的な対話
当社は、四半期毎の決算発表時に業績に関する詳細情報を当社ホームページ上に公開しております。また、四半期毎に決算説明会を開催し、その際の資料についても同様に当社ホームページ上に公開しております。それらの情報を踏まえた面談の申込みに対し、企業価値向上に資する情報交換として可能な限り対応しております。
社外取締役と株主(機関投資家)との対話
2024年6月、機関投資家8社にご出席いただき、当社の伊藤社外取締役とのスモールミーティングを開催いたしました。取締役会の様子、中期経営計画の進捗や課題などについて活発な議論が行われました。良品計画は、社外取締役も含め、株主、投資家の皆様との対話を強化しております。