募金券でつくれる未来

社員との対談

第14回 そらべあ基金×良品計画 東日本大震災を経て。
今、再生可能エネルギーについて考える。
第14回 そらべあ基金×良品計画 東日本大震災を経て。今、再生可能エネルギーについて考える。

募金券 寄付先団体の皆さんの活動を良品計画の社員との対談を通してお知らせします。第14回は、再生可能エネルギーの普及を推進する、そらべあ基金さんにお話をおききしました。

注目が高まる、再生可能エネルギー

「再生可能エネルギー」は、太陽光、風力、小規模水力、地熱など、自然の力を利用してつくられるエネルギーです。限りある資源を枯渇させることがなく、また、CO2などの温室効果ガスや処理の困難な廃棄物を増やすことがないため、環境共生型のエネルギーとして普及が期待されています。

プロフィール

そらべあ基金

そらべあ基金は、地球温暖化防止を目的に、再生可能エネルギーの普及や環境教育活動に取り組むNPO法人。2008年にスタートした企業や個人の協力によって全国の幼稚園・保育園に太陽光発電設備を寄贈する活動では、これまでに31基(2012年3月現在)を達成し、子どもたちの環境に対する意識向上にも貢献している。

そらべあ基金

  • 三澤 拓矢さん

    そらべあ基金
    事務局 プロジェクトマネージャー

    大学時代より環境学科に所属し、環境問題を学ぶ。2010年より、そらべあ基金事務局に勤務し、「そらべあスマイルプロジェクト」やDVD環境教育教材の作成、ソーラーパワートラックでの被災地支援に携わる。

  • 中島 淳己

    良品計画
    業務改革部 施設設計課長

    2000年に良品計画 嘱託社員入社。店舗開発部 施設設計課にて多くの改装、出店に伴なう店舗設計、オープン立上げに関わり2007年本社員入社。現在業務改革部 施設設計課にて販売の立場からの店舗づくりを担う。

  • 篠原 拓也

    良品計画
    情報システム担当 システム企画課長

    2000年に良品計画入社。店舗勤務を経て、2002年に情報システム部門に配属。基幹を担うMD(マーチャンダイジング)システムの内製化に開発担当者として携わり、2011年より現職。1児の父親。

ホッキョクグマのキャラクターを入り口に

ホッキョクグマの兄弟
「そら」と「べあ」

中島:3.11以降、エネルギーの問題はいやおうなく語られるようになりましたが、そらべあ基金さんは、以前から再生可能エネルギーの普及を呼びかけてきたんですね。

三澤さん:はい。2006年に、東京都とNPO、企業などが連携して、お台場に太陽光発電施設を設置する「TOKYOソーラーシティプロジェクト」が立ち上がりました。その際のキャンペーンキャラクターに「そらべあ」を使用したのを機に発足しました。「そらべあ」は、ホッキョクグマの兄弟「そら」と「べあ」のことなんです。雑貨デザイナーのSHINZI KATOHさんがデザインしてくれました。

篠原:そらとべあ、泣いてるんですよね。

三澤さん:ホッキョクグマは地球温暖化の象徴として登場することが多いと思いますが、そらとべあも、温暖化で氷の大地がとけてしまい、お母さんと離ればなれになってしまったんです。

篠原:切ないですね・・・。

三澤さん:子どもを対象にした活動を行っていく上で、そこは大事なポイントです。幼いお子さんも、「なんで泣いてるの?悲しいの?」「どうしたら、そらとべあはお母さんと会えるの?」と純粋に胸を痛めてくれるんです。「地球温暖化がなくなれば、そらとべあもまた、お母さんといっしょに暮らせるんだよ」という具合に、話していくことができます。

中島:子どもたちに伝わると、親子で話し合うことにもつながりますもんね。

三澤さん:そうなんです。家庭内で地球温暖化のことを話題にするのはハードルが高いですが、そらとべあの話から入ってもらうんです。

篠原:確かにそうですよね。キャラクターの力、絶大ですね。

被災地に、電気を届ける

中島:震災の後は、お問い合わせが増えたんじゃないですか?

三澤さん:震災を機に、個人の方からのお問い合わせや、ご寄付いただく機会も増えました。本当に不幸なことが起きてしまったので、私たちとしても、このタイミングでより関心を高めていくべきだろう、という思いがありましたね。

中島:そらべあさん自身も被災地で活動されたんですよね?

三澤さん:そらべあならではの貢献を考えて、ソーラーパワートラックを出動させました。

篠原:ソーラーパワートラック、ですか?

三澤さん:日本に2台しかないので、聞きなれないのも無理はないと思うのですが、20Wの太陽光発電パネル250枚と蓄電池を搭載した4トントラックです。おおよそ家庭2軒分の5KWの発電が可能です。制作をされた企業さんによると、震災前、もともとは自治体からの購入を見込んで、開発した車両だそうです。まさに災害時に役立つので。

中島:奇しくも、震災が起きて大活躍したんですね。

三澤さん:まずは3月24日の石巻市周辺を皮切りに展開したのですが、携帯電話の充電器を持参したのが特に喜ばれました。その後、南三陸町などにも赴き、電化製品に電力供給を行ったり、被災した子どもたちに少しでも楽しい時間を届けるために、アニメを放映したり、ゲームにも電源供給を行いました。

篠原:震災後ボランティアとして被災地入りした友人も、発電機が一番喜ばれると言っていました。

三澤さん:そうなんですよ。電気を断たれてしまうと、それまでいかに電気を使って生活してきたかが浮き彫りになります。私たちの暮らしは電気を抜きにして成り立たない。だからこそ、エネルギーについて考えていく必要があるわけですが、日本のエネルギー自給率はわずか4%です。40%という食糧自給率の低さが問題になっていますが、エネルギーの方も、相当心もとないんです。

中島:本当ですね。いかに日本の省エネ技術が優れているといっても、自給率4%の低さは、それだけでは解決できませんね。

三澤さん:これまで言われてきたのは、「だから原子力で」ということだったのでしょうが、再生可能エネルギーの割合は、本気になればもっともっと増やしていけると私たちは考えています。 資源を持たない日本だからこそ、再生可能エネルギーを推進していくというのは、とても自然なことではないでしょうか。