無印良品の綿とサプライチェーンについて
2021.04.14
無印良品の店頭およびWEBサイトなどで販売する綿製品についてのお問い合わせを多数いただいており、改めて考え方を以下にまとめました。
はじめに、良品計画は事業活動において、各国・地域の法令や無印良品の思想を守り、人権の尊重や労働基準の管理に努めています。また、生産工程において法令や弊社の行動規範に対する違反が確認された場合には取引を停止する方針です。
無印良品は、天然素材が本来持つ機能を生かしたものづくりをすすめてきました。原料となる素材は、地球、動植物、生産者に余計な負荷をなるべくかけない方法で採取、栽培されたものを選択するよう取り組んでいます。また、それらは可能な限り生産地がトレースできるものを使用し、なかでも主要な原料は実際に生産地を訪れ、採取・栽培場所の状況や生産者のくらしを自分たちの目で確認しています。
この観点より、綿においてはオーガニックコットンを選択しています。一般的な綿の栽培には、農薬や化学肥料が比較的多く必要とされています。一方、オーガニックコットンは、農薬や化学肥料を3年以上使用していない土地で、自然の仕組みに沿って育てられます。従来の栽培方法よりも手間も時間もかかることや、適した気候や大地が必要なことから、世界の綿の生産量のうち1%程度しか生産されていません。環境負荷はもとより農家の方々の健康への影響も鑑み、1999年よりオーガニックコットンの使用を開始しました。無印良品は、インド、中国、トルコ、アメリカを含む世界各地からオーガニックコットンを調達しています。世界中を見渡し、探した素材です。商品開発者が実際に産地に足を運び、種まきや収穫体験を通じて農家の方々と交流し、その使用量を継続的かつ長期的に増やす努力をしてきました。無印良品の衣料品のすべての綿は2018年から、オーガニックコットンを100%使用しています。これらオーガニックコットンの栽培や生産の拡大を通じて、現地における優良な雇用機会を拡大し、そこで働く一般生活者の生活向上のお役に立てていると自負しております。
また、オーガニックコットンであることを明記するために、無印良品は綿と綿糸について世界基準である認証を得ています。この認証は、国際労働機関(ILO)が定める国際労働条約、国連のビジネスと人権に関する指導原則(UNGPs)と経済協力開発機構(OECD)の責任ある企業行動のためのデュー・ディリジェンス・ガイダンスに遵守しているか、毎年第三者機関が監査を行う仕組みになっております。これ以外にも、すべての生産パートナー企業とは、サプライチェーン全体の労働環境、人権尊重の方針を共有したうえで、外部の専門機関による工場監査を実施しています。多くのお問い合わせをいただいている新疆地区は新聞等で報道されている通り、中国産の綿の8~9割を占める広大な産地です。無印良品の綿を栽培する新疆地区の約5,000ヘクタールの農場等については、畑や作業者のプロフィール、人員計画を把握し、栽培スケジュールに合わせて第三者機関を現地に派遣し、昨年も監査を行っています。これまでの監査において、法令または弊社の行動規範に対する重大な違反は確認しておりません。無印良品は商品の原料となる綿から最終製品化までを、以上のようなプロセスで管理しております。
2015年に国連で採択されたSDGsの達成に多くの国や企業が取り組んでいる状況ですが、無印良品の理念と実践は当初よりSDGsを包含するものと考えております。さらにいえば、「困ったときはお互いさまです」「いつも、お陰さまで」「お疲れ様です」「もったいない」といった人間本来の思考や感情を通して、より実感できる心情としてこれらを世界の人々と共有し、「感じ良い暮らしと社会」に向けた事業活動を今後もしっかりと行っていきたいと考えています。
無印良品のサプライチェーンの考え方について、詳しくは以下をご確認ください。
サプライチェーンの考え方
無印良品の原料調達の考え方について、詳しくは以下をご確認ください。
無印良品の原料調達の考え方
これまでの現地訪問記録
2006年7月 | 農作業見学(良品計画社員2名) |
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2012年4月 | 種まき(良品計画社員4名) |
2012年8月 | 農作業見学(良品計画社員4名) |
2017年10月 | 綿花収穫(良品計画社員6名) |
2018年4月 | 種まき(良品計画社員12名) |
2018年10月 | 綿花収穫(良品計画社員15名) |
2019年7月 | 畑の草刈り(良品計画社員13名) |
2019年9月 | 綿花収穫(良品計画社員12名) |
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報道関係の方のお問い合わせ
株式会社良品計画 経営企画部 広報課
rk-pr@muji.co.jp