「商い」を通じて社会に貢献する
食の顧客責任
基本方針
良品計画は、食を通じて「感じ良い暮らしと社会」の提供を目指しています。安全・安心はもちろん、地域や生活スタイルの変化に合わせ、健康志向にも応える食品を企画・製造し、食の楽しさとおいしさをお届けしています。
また、商品の企画から、製造工場の選定および製造、販売にいたるまで、お客さま視点でものづくりを行い、お客さまからのご意見に耳を傾け、適切に情報をお届けすることで、お客さまへの責任を果たしていきます。
「健康に気遣うこと=養生」を基本の考え方とし、毎日の食を通じて、現代社会の健康課題に取り組みます。特に、加工食品の分野において、栄養バランスや、栄養補給に配慮した食品の開発を強化していきます。
目標
良品計画は、食の安全と安心を守るために品質管理を徹底します。栄養成分をわかりやすく記載することで、お客さまが商品を選びやすいようにしていきます。
また、多様な地域、ライフスタイル、志向に合わせ、素材を生かしたものづくりを推進し、豊かな食のライフスタイルの実現を目指します。
同時に健康志向の高まりを踏まえ、2030年までに食品部門全体の商品アイテム数のうち、20%を健康志向に応える商品とすることを目指し商品開発を強化していきます。
取り組み
1|商品の安全・品質の管理
良品計画は、法令を遵守した上で「良品基準」という自社基準を設定し、使用する食品添加物の決定や賞味期限の設定を行っています。食品添加物は、食材選定や加工・包装方法を工夫することで低減に努めています。また2023年6月に「一般社団法人 日本食品添加物協会」に入会し、食品添加物の安全な使用量や表示方法など、食の安全・安心を確保するための情報収集と業界動向の把握を強化しています。
新商品の発売前には「良品基準」に則り、賞味期限まで安全に品質を維持できる仕様・形態になっているか、お客様に調理工程が正しく伝わるかなどを実際に検証・評価することで、品質管理の徹底を図っています。また、外食、中食で提供する食品も「良品基準」に準拠しています。
2023年8月には「食品の安全・安心委員会」を発足し、「良品基準」の継続的な点検のほか、重大事故の予防および対応について、活発に議論を行っています。隔月で開催し、商品部やリスク管理部などの関連部署に所属する社内委員に加え、社外の有識者がアドバイザーとして参加しています。
2|製造工場の品質管理
良品計画の製造委託先工場は、Codex HACCP、ISO22000、FSSC22000等の食品安全国際規格を遵守し作成した、「工場評価調査表」に基づき監査し、合格した認定工場にのみ製造を委託しています。定期的な立ち入り検査などを通じて、継続的な安全を確保し、品質向上に努めています。
3|商品販売後の改善活動
商品に関する店舗での気づきやお客さまからの問い合わせ、不良、苦情などの情報は、社内の専用システムにより、情報を集約し社内で迅速に共有しています。いただいた商品評価は次の商品開発に反映させています。
4|責任あるマーケティング
良品計画は、商品パッケージや広告の表示において、食品表示法、薬機法、景品表示法、公正競争規約などの法令を遵守し、適切で誤解を招かない表現・表示に努めています。
また、人種、性別、年齢などに関係なく、すべてのお客様への配慮を欠かさず、差別的な表現を用いません。商品パッケージは中身との差が出ないよう配慮し、商品名や商品コピーは、平易な言葉を用い過剰な表現は使用しません。
お客様が商品を選択する際により分かりやすい表記を心掛け、カレーの辛さやノンカフェインなどは、アイコンを用いています。
5|社内教育
良品計画では、HACCPを中心とする外部規格の導入や社会情勢を踏まえ、食の安全な提供に関する社内マニュアルを定期的に更新しています。
法令遵守及び「良品基準」の徹底を目的として、店舗スタッフを対象とした「食品表示研修」の実施と食品表示検定の受験を奨励するなど、食品表示への理解を深めています。また、2022年に消費者庁より公表された「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」に関しても社内説明会を実施し、お客さまに誤解を与えない表示に努めています。
店舗での試食実施者に向けては「テイスティングアドバイザー講習会」を実施し、試食実施時における衛生管理およびアレルギー対応などの安全管理について教育しています。より多くのスタッフが講習を受講できるよう録画データも積極的に活用すると同時に、受講後のテストにて理解度も確認しています。
また商品のわけやコンセプト、調理方法や表示内容を含む、商品情報に関する社内説明会や動画配信も強化しています。
6|健康志向に応える食品の開発の強化
良品計画は、より良い栄養バランスを考えた食品の開発を強化しています。
2023年には、健康的な食事を手軽にとりたいという要望にお応えして、野菜とたんぱく質が手軽に取れる冷凍食品「ミールキット」、レトルト食品「1/3日分の野菜を使った」スープシリーズを発売しました。「1/3日分の野菜を使った」スープシリーズのトマトスープとかぼちゃスープは、賞味期限が最長2年※と長く、備蓄食品としても活用できます。
生活習慣病の増加に伴い関心が高まっている糖質に関しては、1食あたり「糖質10g以下」シリーズを展開しています。
さらに、カフェインに対する感受性が高いお子様や影響が大きいとされる妊娠中の方などに配慮した、ノンカフェインの飲料商品を開発するなど、様々なお客様のライフスタイルや健康に配慮して商品開発を行っています。
今後さらに多くのお客さまにアプローチできるよう、健康志向に応える商品の品揃えを拡大する方針であり、栄養添加型のゼリー、食物繊維が摂れるフリーズドライスープなどの発売も予定しています。
※未開封の場合
7|植物性原料を主体とした商品の開発
食の多様化や健康意識の高まり、環境負荷の低減などを考慮し、良品計画では、大豆ミートなどの代替食品を使用したレトルト食品や、植物性原料を主体とし、肉・乳・卵などの動物性原料を使用しないカレーやお菓子などの商品の開発を積極的に行っています。
特に大豆たんぱくは、牛や豚などと比べて生産時に使用する水が少なく、二酸化炭素が発生しにくいことで、魚や肉に代わるサステナブルなたんぱく源として注目されています。2023年には、肉の代わりに大豆ミートを用い、野菜や大豆類、穀物などの植物由来の原料を中心に使用した冷凍食品4種類を発売しました。植物性原料を使った食品を初めて食べる方にも試していただきやすいように、食卓で馴染みのある餃子や焼売、ピザといったメニューを展開しています。今後も植物性原料を主体とした冷凍食品の展開を拡大する予定です。
8|まちの保健室の取り組み
良品計画は、健康で安心な生活のため「予防」「維持」「治療」に関わる場を創出すべく、地域の皆様の健康維持・病気予防のための商品、情報、サービスなどを提供する「まちの保健室」を推進しています。現在、全国4店舗※にて展開し、地域行政、医療とも連携した取り組みを行っています。
「まちの保健室」では、2023年より一般用医薬品や健康食品の開発を始めました。これまでに、更年期や月経関連の女性特有の悩みに寄り添った、添加物を含まない生薬のみを配合した煎じ薬である漢方薬7種類を発売しています。第2類医薬品の販売にあたり、展開する4店舗には、薬剤師または登録販売者が常駐し、購入時に健康相談やアドバイスも行っています。また2024年には、東洋の考え方に基づき、様々なハーブや植物などで作られた「和漢茶」を発売しました。先人から伝えられてきた和漢の素材を使ったお茶をじっくり丁寧に淹れることで、暮らしに楽しみを見出しながら、日々の健康維持をサポートします。
※「無印良品 直江津」「無印良品 広島アルパーク」「無印良品 ゆめテラス祇園」「無印良品 グランフロント大阪」(2024年9月末時点)