働く仲間の尊重
雇用・労働の考え方
良品計画グループは、2024年8月末時点、世界中で24,642名(臨時従業員等12,571名)の従業員が働いています。雇用活動にあたっては、事業活動を行う国・地域の慣習を理解するとともに、それらの国・地域で定める法令を遵守しています。
雇用条件が記載された雇用契約書は、現地語で書かれており、従業員および雇用主の両当事者によって署名され、従業員に契約書のコピーを渡しています。
また、雇用・労働に関する方針やグループコンプライアンス行動指針などを記載する「無印良品の働きかた」は、日本語・英語・中国語の3つの言語で発行し、従業員全員が内容を理解するため、これに関する説明・研修は入社時全従業員を対象に開催しています。
1. 無印良品に関わり、働く仲間たちの永続的な幸せの実現を目指します。
2. 働く仲間の心身のゆとり、豊かさ、プロフェッショナルとしての成長を追求します。
3. 働く仲間の個性、人権、プライバシーを尊重し、差別を排除し、いかなるハラスメントも許しません。
4. 性別、国籍、民族、宗教の多様性を尊び、違いから学び、互いに助け合い成長します。
基本原則
良品計画グループは、グローバルに事業を展開していくうえで、国連「グローバルコンパクト」をはじめとする国際的な人権基準に基づき、各国で定められている労働環境や人権に関する法令を遵守し、すべての事業活動において誠実に行動していきます。
児童雇用の禁止
良品計画グループは、「⼦供の権利とビジネス原則」を尊重、⽀持し、児童を労働⼒といたしません。「児童」とは一般的に15歳未満、あるいはその国・地域の義務教育を終えていない年齢、または適用される法定雇用最低年齢のいずれか高い年齢に満たない方を指します。採用時には年齢確認を徹底することで、児童労働の発生を防止しています。
強制労働の禁止
良品計画グループは、政治的弾圧や政治的見解に対する処罰や従業員の移動の制限を含め、強制労働を従業員に強いることは禁止します。
差別の禁止
良品計画グループは、従業員の採⽤や雇⽤決定の際、⼈種、肌の⾊、性別、宗教、政治的⾒解、出⾝国、社会的出⾃、年齢、障がい、性的指向や性⾃認、組合への参加・不参加、またはその他の状況による差別を⾏いません。雇⽤、賃⾦、諸⼿当、研修機会、職務、昇給、罰則、解雇などの⼈事に関する決定を⾏う場合にも、従業員の仕事に対する能⼒のみに基づいて⾏います。
公正な賃金
それぞれの国・地域の法令等の定める最低賃金、又は地元の慣習で規定される最低賃金を超える賃金を支払います。また、それぞれの国・地域の環境と状況に合った範囲で、より良い賃金や諸手当を提供することに努力します。
集会の自由
従業員が脅迫や報復を恐れることなく、自由な意思に基づき労働組合等を組織することや、それに参加する権利を保証します。また、団体として交渉を行う権利を確保します。
ハラスメントの禁止
良品計画グループは、従業員の人格を尊重します。従業員が身体的、性的、心理的ないやがらせを受けたり、言葉の暴力を受けたりすることは許しません。また、職場におけるハラスメントを認識し、ハラスメント防止への意識を高め、ハラスメントからメンタル不調へつながるリスクを認識して予防を図るため、ハラスメント研修を実施しています。2024年8月期は、社員およびパートナー計10,110名を対象にハラスメント研修を1回実施し、研修受講率は85.9%でした。
安全で健康的な労働環境・⻑時間労働の削減
従業員を危険にさらさず安全で健康的な労働環境を確保します。そのために、安全な飲み水と適切な衛生設備、照明設備、温度調節設備、換気設備、更衣室等を提供します。
業務上の労働基準・安全・衛生などに関する法令などを遵守し、一人ひとりの心身の健康状態に配慮し、健康的で安全かつ衛生的な職場環境の維持・整備とともに、労働災害を未然に防ぐことに努めます。また、労働時間や休憩時間、休暇に関する国際基準と現地法令を遵守し、残業を前提としない働き方を推進しています。万一、職場で災害・事故・その他トラブルが発生したときは、被害を最小限に留めるよう努め、速やかに再発防止に取り組みます。
良品計画では、年次休暇・公休を計画的に取得するために、すべての従業員は、年初に各自の年間休暇計画を勤怠管理システムに登録し、マネージャーが承認します。人事担当は登録状況をモニタリングし、未登録や必要日数不足の場合は、従業員とマネージャーに注意喚起します。従業員は計画に沿って勤務および休暇を取得しますが、進捗は人事担当が勤怠管理システムを使用して追跡し、法令に沿って計画通り休暇が取得されるよう管理しています。
良品計画では、事業所の安全衛生及び社員の健康管理に関する事項について調査審議するために安全衛生委員会を設置しています。委員長に役員を任命しています。安全衛生委員会は安全衛生管理者、産業医、社員・組合代表で毎月開催し、店舗、オフィスの安全管理や従業員の健康管理・メンタルケアなどの具体的な課題について議論し、解決に取り組んでいます。加えて、従業員50名以上(アルバイト除く)の店舗において安全衛生委員会の設置が義務付けられており、店長や地域ごとに選任された産業医を中心に、毎月1回開催されています。
従業員向けホットライン
良品計画は、企業活動に伴う重大な問題を未然に防ぐことを目的に、コンプライアンス違反・腐敗行為・人権問題(ハラスメント等も含む)等をはじめ、「グループコンプライアンス行動指針」に違反する(またはその恐れのある)行為を対象とする内部通報制度として、「良品計画グループヘルプライン」を設置しています。
当社および国内・海外子会社の役員、社員(嘱託社員、パートナー社員、アルバイトを含む)および派遣従業員を含む全ての従業員などに対して適用します。従業員は、匿名で通報・相談することができます。
通報・相談者のプライバシーは保護されるとともに、通報・相談を行なったことを理由として、不利益を被ることは一切認めていません。
ヘルプライン窓口に対して、電話、電子メール(匿名性のあるシステムを利用するものを含む)または直接面談する方法等により通報等をすることができます。
通報者の氏名を除いた調査結果は社長に報告し、必要に応じて就業規則に定めるところにより、再発防止措置の策定、業務命令や指示などの発令、懲戒処分等人事面の措置その他の必要な社内手続をとるほか、プレスリリース、マスコミ対応、刑事告発などの対外的措置を取ることもあります。
加えて、日本国内では、役職者を対象としたハラスメント研修を行っています。研修では、ハラスメントの定義や事例、未然防止策、事案が発生したときの対応などについて教育を行っています。
2024年8月期においては、合計234件の相談が寄せられました。
労働基準違反への対応
当社グループでは、違反案件の指導を受けた場合、経営幹部、監査等委員に報告するとともに、指摘された事項の是正方法と完了すべき時期を該当部門と協議したうえで設定し、是正の完了まで進捗管理しています。また、不適事例・好事例を作成し全社で共有することで、注意喚起と再発防止に努めています。
2024年8月期は、労働基準に関する行政からの指摘はございませんでした。これについて、当社では、該当事案について事実確認を行うとともに、安全衛生に関するルールの徹底や出勤シフト・ワークスケジュールの見直し、業務内容の点検と削減、個人の仕事量の適正化などの対策を行いました。
労働基準に準じた健全かつ適正な労働環境の維持および改善に向けて、今後も働き方改革などに積極的に取り組んでいきます。