地域の方々と廃校活用について考える ~北海道での取り組み~
北海道岩見沢市栗沢町美流渡(みると)は、小さな旧炭鉱町で、1985年に鉄道が廃線となり、北海道でも典型的な過疎地域です。2019年3月末に、美流渡小学校・中学校が閉校してしまって以来、地域住民や移住者が集まり、今後の校舎活用について議論が交わされています。その一環として、2019年末からは、校舎のような規模の大きな施設を運営するためにはどんなスキルが必要なのかを考えるセミナーが、ご本人も移住者であるフリーランスエディターの來嶋さんを中心に企画・開催されています。第2回となる1月18日(土)には、ソーシャルグッド事業部ローカルグッド担当の鈴木さんが登壇し、千葉県での鴨川里山トラストの取り組みや、シラハマ校舎での「無印良品の小屋」販売などを事例に、過疎地域の活性化や廃校活用の多様性についてお話ししました。
現在北海道地域の推進を担当している鈴木さんは、これまでにも夕張市役所と連携して「幸福の黄色い花咲く街~夕張~」植栽バスツアーを企画開催するなど、北海道の過疎地域を中心に、地域のつながりを再構築するための活動を行っています。2018年9月に発生した「平成30年北海道胆振東部地震」の現状確認および今後の被災者支援の方向性確認で現地を訪れた際に、同じく取材で現地を訪れていた來嶋さんと出会ったご縁で、当社のシラハマ校舎の廃校活用について参考にしたいとお声がけいただき、今回のセミナー登壇につながりました。
鈴木さんは、「地域が活性化するためのお手伝いをする際に、『風の人』『土の人』という言葉を使っています。土の人とはもともとその土地に住んでいた人、風の人とは縁あって移住してきた人や、関係人口のことを指しています。風と土とが混ざり合って融合するとそこに新しい『風土』ができると信じています。ご自身も移住されてきた來嶋さんのお話を伺っていると、まさに美流渡は風と土が融合し始めているように感じました。カフェ、花屋、陶芸家など素敵な人ばかりが、美流渡の魅力に魅了され集まっています。昨年、小・中学校が廃校になり、子供の声が聞こえなくなって寂しいとおっしゃるお年寄りもいます。そこで美流渡の方々は、廃校になった校舎の活用方法を考えることにしました。自治体が言い出すのではなく、地元に住んでいる人の中から声が出ることが重要です。」と話します。
今後は、3月下旬のリニューアルオープンを予定している「無印良品 札幌パルコ」のつながる市でも、美流渡やその周辺地域で活動するクリエイターとつながっていく予定です。今後の展開にご注目ください。
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