Product Focus 第1回 脚付マットレス

1991年、機能を追求したベッドやマットレスが多くあった時代に、「無駄を極力取除き、マットレスに脚がついただけのシンプルなベッドでもいいのではないか?」という考えから、無印良品の「脚付マットレス」が誕生しました。今月のProduct Focus は、長年にわたって進化してきた無印良品の「これでいい」を体現する脚付マットレスの魅力を新たに紹介します。

磨き続ける定番
 今年で発売29周年を迎える脚付マットレス。発売当初は、ボンネルコイルのマットレスと高さ12cmの脚の組み合わせのみでしたが、安定性・寝心地の両方訴求しながら部屋の圧迫感や実際の使用シーンなどを考え、ポケットコイル、高密度ポケットコイルの開発と共に展開サイズを拡大し、脚の高さも10cm、12cm、20cmと26cmの4タイプに増えました。また、土台をスチール製に変えて強度を上げたり、全面ウッドスプリングの仕様を採用したり、側生地の素材を変更し洗える仕様に変更したりなど、数々の改善を重ねて今日に至っています。

無印良品の「これでいい」を体現できる商品
 無印良品のモノづくりは、生活の基本となる本当に必要なものを、本当に必要なかたちでつくることです。「これでなくてはいけない」のような強い嗜好性を誘う商品づくりではなく、「これでいい」という理性的な満足感をお客様に持っていただくことを目指しています。そのために、素材を見直し、生産工程の手間を省き、包装を簡略にしたことから、シンプルで美しい商品として長く人々から愛されています。このような考え方は、「脚付マットレス」の隅々に表れています。
 例えば、商品自体はマットレスに脚が付いているシンプルな形で、品質を担保しながら生産工程の中の無駄を極力取除いてきました。台座の素材は、使い捨ての木材からスチールというリサイクル可能な材料に変更し、環境に配慮するとともに、安定した寝心地を実現しています。また、歴代商品開発担当者の方々が長年にわたって社内外と連携しながら商品を大事に育ててきたおかげで、商品自体の進化のみならず、価格見直しも数回行い、品質と価格の両方で自信をもって無印良品の「これでいい」を体現できる商品となっています。

永く使えるように
 ベッドは部屋の中でもひときわ大きな家具です。使い捨てではなく、くらしの需要や使用シーンが変化しても永く使っていただくよう、脚付マットレスがへたった時はコイルユニットパーツを交換するなど傷んだパーツを交換することが可能です。また、寝ることだけでなく、座ること、くつろぐことを考えぬいて、ソファでもベッドでも使っていただくように、マットレスの4隅の強度と安定性、スプリングの長さ1mmにも強いこだわりを持って作られています。商品名をあえて「ベッド」ではなく「マットレス」にしたのも、このような想いがあったからです。「学生の間だけ」「結婚するまで」などではなく、生活の需要が変わっても安心して使っていただく、永くお付き合いいただけるような存在になることを目指しています。
 今後も、お客様の声を聞きながら、側生地の見直しや回収後のリサイクルなど、素材の選択・工程の点検・包装の簡略化という視点で進化し続けていきます。ぜひ今後の「脚付マットレス」の動向にご注目ください。

※記事に記載している情報は、発表日時点のものです。