生活雑貨部企画デザイン担当 大島 忠智さん

 8月3日、新業態である「IDÉE TOKYO」を東京駅改札内のグランスタ東京にオープンしたイデー事業部。今月は、ディレクターとしてイデー全体のディレクションや、企画や展示会の立案・監修などを行っている大島さんの登場です。

■大切にしているのは「イデーとの親和性」と「お客様に共感していただけるか」
 イデーのディレクターとして、イデー全体のディレクション、企画や展示会の立案から監修、プロモーション、商品にまつわるアドバイス、POOLプロジェクトの企画担当などを行っています。また、イデー店内で流すBGM用としてスタートしたUSEN放送のチャンネル「IDÉE Records Channel」の選曲・監修も担当しています。以前は各店舗がそれぞれ違う音楽をセレクトして流していたのですが、音楽もインテリアと同じく空間を豊かにする要素だと考えているので、BGMを統一することで、イデーのブランドイメージや世界観の統一につながりました。
 企画展では、イデーとの親和性やディレクションに沿っている企画かどうかを常に意識しています。全店で展開する企画展のほかに、店舗ごとで実施している企画展もあるのですが、半年に1度、ディレクションに対して企画展を店舗から募集し、売上やイデーとの親和性、オンラインとの連動など、様々な方向性で検討しながら、店舗がやりたい企画を効果的に実現できるようサポートを行っています。イデーの企画展は内容についてはもちろん、作品を販売することが目的なので、「売上につながるか」は全ての企画で考えますが、売上につながること=企画に共感していただけたということだと思っています。全体の企画の中で浮いてしまったり、お客様が違和感を覚えたりしないように気を配り、これからもお客様に共感していただけることを大事にしていきたいです。

■新業態「IDÉE TOKYO」
 IDÉE TOKYOのキュレーターである深澤さんと方向性の確認をしながら、企画の立案、取り纏め、商品展開のアドバイスなどをディレクターとして行いました。深澤さんに入っていただくことで、今までとは違う視点に気が付いたり、大事にしていくべきことが見えてきたりと、様々なことに気が付く素晴らしい機会となりました。課題に対してコンセプトをブラッシュアップし、新しいイデーのかたちにチャレンジした店舗です。
 新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、オープン日が延期になってしまったり、インバウンド需要が厳しかったりと、自粛ムードが続く中での集客はまだ課題としてありますが、確実に私たちが手掛けたことを評価してくださるお客様がいらっしゃることを実感しています。これまでのイデーには無かった店舗になっていますので、東京駅にお越しの際は、ぜひ立ち寄ってみてください。

■Life in Art
 新型コロナウイルス感染症の影響で、家で過ごす時間が長くなり、好きなもので心地よく過ごすことを意識する方が増えるなど、多くの方が改めて毎日の暮らしについて考え直していると感じています。その中でもアートの存在は、暮らしに彩りを添えるだけでなく、美意識を育み、生活に対する価値観を向上させる存在だと思っています。イデーでは、アートを日常の中にとりいれたり、興味を持ってもらったりする様々な提案に引き続き力を入れていきます。
 買い付けで海外にいくことも多いのですが、そのたびに欧州・欧米の方々の、日々の暮らしに対する意識の高さにいつも刺激を受けます。私は、豊かな暮らしは「心持ち」だと思っています。暮らし方に正解も不正解もありませんし、それぞれライフスタイルも、置かれている境遇も違います。自分にとって感じ良く豊かな暮らしとは何かを考え、その上でものやことを選択していくことが豊かさにつながっていくと思っています。イデー店舗での展示と、ギャラリー等での展示との1番の違いは、インテリアと一緒にアートを見ることで、生活の中にあるアートを意識できることです。イデーの提案を通して、お客様が自分にとっての豊かさを考えていただくきっかけになれればいいなと思っています。
 この場を借りて、私が企画し、2011年から連載しているWEBマガジン「Lifecycling」をご紹介します。「こと」や「もの」に愛情とこだわりを持って暮らす方々の魅力あふれる住処(スミカ)をご紹介しています。暮らしにおける美意識やもの選びの審美眼、遊び心など、より充実したライフスタイルを送るためのヒントやアイディアを発信するインタビューマガジンです。この機会にぜひご覧ください。

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(https://www.ideelifecycling.com/)