右:無印良品 東京有明 店長 松橋 衆さん、 左:無印良品 東京有明 副店長 秋吉 武士さん

無印良品 東京有明 店長 松橋 衆さん、副店長 秋吉 武士さん

 12月3日(木)、関東最大の売場面積をもってオープンした「無印良品 東京有明」は、暮らしの全部が揃う百貨店を超える“百八貨店”として、8つの新商品・サービスを展開する店舗です。当初想定していなかったコロナ禍でのオープンではありましたが、有明の新たな挑戦に近隣住民の方をはじめお客様から嬉しい反応が届いています。今回は、「無印良品 東京有明」店長の松橋さん、副店長の秋吉さんにお話しを伺いました。

■「無印良品 東京有明」について
 店舗コンセプトは「空間を売る」です。「感じ良いくらし」は単に居室が快適という話ではなく、暮らしや街づくりと密接に結びついています。スプーンから家まで、働く場から街のコミュニティまで、日々の自分の“生活行動”を大きく捉えた住空間と、インテリア相談から収納・掃除のお手伝いまで、“暮らしの24時間”を深く捉えた住空間。これらの「住まう空間」に存在している困りごとや不自由、様々な課題に対して【暮らしサポート】【家づくり】【街づくり】という3つの視点で、生活者・地域・社会にとって「役に立つ」店舗になっていきたいと考えています。

■有明オープンまでの道のりと気づき
 住空間に関わる新商材の展開、リフォームや法人事業などの新サービスの始動など、1個店が行っていく上で必要な社内連携、取引先開拓や経済条件の策定、スキーム作りなど、多くの関係者を巻き込んだ調整や信頼関係の構築がとても大変でした。さらに、コロナ禍における各種対応やサービスレベルの質向上、これらを踏まえながらMUJIとしてどう役に立つか、について副店長と5人の部門マネージャーとともに悩み考えながら形にしていきました。この経験を経て確信したのは、「何をするにもまずやることの意味や意義をとことん突き詰めること。それが今後の有明、会社、世の中の何にどうつながっていくのかを思い描き、ゴール目標を置いたうえで、経営的な視点を持って方法論やプロセスを考え調整する。そしてその文脈や背景を店頭やWEBでどう見せるか、伝えるかという一連の行動や思考が非常に大切である」ということです。まだ道半ばのサービスや活動もありますが、個店経営における持つべき意識として引き続き念頭に置き、地域のお客様に役に立つ店舗であり続けられるようスタッフ全員で取り組んでまいります。

■地域とのつながり
 地域の生活者が本当に困っていることや求めていること、住まいにおける趣向や価値観、近隣住居の内装や設備などについての実態を知り生の声を集めるため、約1年前から住民との座談会やオブザベーションを実施してきました。コロナにより当初計画通りに進まないこともありましたが、アンケート形式に切り替え、遠隔コミュニケーションにて「生活実態」を継続して調査しました。また、地場企業(ゴミ最終処理業者)や行政(江東区)との連携も丁寧に行い、“地域のことを良く知っている”方たちとの協業体制を構築してきました。
このような一連の取り組みを通して様々な発見や気づきがあり、改めて3現主義(現実・現場・現物)の大切さを痛感しました。「常識は、常に自分の体のひとつ隣に置いておこう」と、店舗スタッフに伝えるとともに、自分自身にも言い聞かせています。「普通はこう」「たぶんこう」ではなく、まず動く、実際に見る、聞く、話す、触るなど…実行力から得るアイデアや確信・自信は何よりも“武器”になると思います。

■オープン後のお客様の反応
 コロナ感染拡大の状況下で感染対策を万全にして開業したことも含めて、地域のお客様には大変ご好評いただいております。衣食住3フロアそれぞれの空間コンセプトやVMDも奏功し、大人から子供まで皆さんがゆっくり過ごせるような“場”の提供ができているのではないかと思います。お客様の反応で予想以上だったのが、今回新たに取り組み始めた、行政連携による古着回収とフードドライブという環境活動に対する賛同の声や回収率の高さです。「MUJIが取り組んでくれることでとても身近になった」というご意見を多数いただき、あるお客様からはご丁寧にお手紙をいただきました。生活者みなさんの環境意識の高まりを強く感じています。

■今後店長/副店長として目指すこと
(松橋)働くみんなが上を向いて、胸を張って、イキイキしている。ワーカーではなくプレイヤーとして「もっとこうしよう、ああしよう」と声を挙げ、全員が店舗運営にちゃんと関わっている。結果としてMUJIで働く“やりがい”を感じられる。そんな店にしていく為に「アイデアと美意識、実行力」をモットーに総合力を養っていきます。

(秋吉)東京有明で働く仲間の約8割が新人スタッフです。これから一人一人が今のスキルとスタンスに磨きをかけて、次のステップを見据えた一つ上の業務をやれる環境と体制作りを次年度は取り掛かります。人あってのお店、お店あっての地域、地域あっての人。働く仲間と働く場所で働く地域を共により良くすることが、今の私の目標です。