無印良品 道の駅なみえ 浪江町地域おこし企業人 佐々木陽子さん

 3月20日(土)、「無印良品 道の駅なみえ」が福島県双葉郡浪江町にオープンしました。
 今回は、地域に巻き込まれながら浪江町の復興を目指す、浪江町地域おこし企業人の佐々木さんに社内公募への応募から、今後の目標についてお聞きしました。 

■「無印良品 道の駅なみえ」について
 「無印良品 道の駅なみえ」は、東日本大震災および東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響を大きく受けた浪江町の復興のシンボルとして2020年8月1日にプレオープンした「道の駅なみえ」内に出店しました。国道6号線と国道114号線の交わる場所に位置しており、ツーリングをしている方やトラックの運転手の方が立ち寄られます。ご来店されるお客様は、65歳以上の世代が半数以上を占めていて、「身近なものをより身近な場所でさっと買える場所になってほしい」というご意見をもとに、「くらしの基本アイテム」を中心に取り揃えています。

■地元のために何かできないか
 以前から、「暮らしの編集学校」の取り組みに興味があり、実際に編集学校に参加したスタッフから直接話しを聞いてさらに興味が湧き、私も地域のために当事者として何か取り組むことができないかと思うようになりました。福島県は私の地元であり、東日本大震災や原発事故があった場所でもあります。復興は進んでいるものの、普通の日常生活を取り戻すにはまだまだだと感じており、「地元のために何かできないか」と考えていた時に、「無印良品 道の駅なみえ」の社内公募を見つけ応募しました。

■店舗を軸にした、お互いが助け合えるコミュニティの構築づくり
 現在、浪江町には約1600名の町民がいますが、町民全員が「○○を買いたい」と思ったときに「そうだ、無印良品に行こう!」と思ってもらえる店を目指したいです。また、住民の皆さんがつながる場所となるように、ワークショップやいつものもしもなどのイベントを開催するなど、全町民が知り合いで、つながっており、困ったときにはお互い助け合って暮らすことができるコミュニティを作りたいです。

■地元の方々と関係を築く
 地域住民の皆さんの「役に立つ」には、地域住民の方々とつながり、信頼を得ることが大切です。そのために、自治会などの地域コミュニティへの参加や、町役場や支援員の方々と積極的なコミュニケーションをとおして交流を深め、町民の方から声を掛けられるくらい親密な関係を築いていきたいです。
また、浪江町に雇用を生み出すことによって、人口が増え、「この町に住みたい」「浪江町にいて良かった」と思ってもらえるように私が先陣を切って行動していきたいです。

■「気づく、考える、やってみる。」の実践
 道の駅なみえは、復興のシンボル としてオープンしたので、地元の方々との話し合いのなかで、店内に地域の思い出の品を展示しようと考えました。駅長との話し合いから、廃校になってしまった浪江小学校の机を展示したり、道の駅なみえの2号館にある「鈴木酒造」さんからは酒樽をいただき、無印良品の大袋菓子を陳列する什器として使用しています。
 自分一人で考えるのではなく、地域の人たちとアイデアを出し合い、工夫する事で実現する事が多くありました。

■今後の目標
 地域の皆様からの期待に応えられるよう、町役場や道の駅の皆様と話し合い、巻き込まれながら無印良品を通して「役に立つ」取り組みをすすめていきます。例えば、品揃えについては、お客様から大型家具の展示をしてほしいなどの要望をいただいているので、みなさんからのお声を元に、地域住民の方の暮らしに必要な品揃えを今後調整していきたいと考えています。
 また、人と人とのつながりを大事にし、いつも笑顔で前向きに浪江町のためにできる事を考えていきたいです。