無印良品 イーアス春日井 店長 遠藤 和幸さん(右)・店長代行 林 良浩さん(左)

今回は、10/22(金)にオープンした無印良品 イーアス春日井の店長 遠藤さんと店長代行 林さんに、1,650坪ワンフロアの店舗をオープンさせるまでのエピソードを話して頂きました。

■地域のお客様の「くらしの土台」
 地域のお客様の「くらしの土台」となり、地域の「コミュニティセンター」となることがコンセプトです。
 2月に着任してから、春日井市の住民の方々のお声を集めたところ、「春日井には自慢は無いけど不満もない」とのお声が多かったです。今回の出店に向けて、そうしたお声に応えられる店舗を作りたいと思い、1,650坪のワンフロアの店内で、地域のお客様が日常使いしていただく店舗となれるように、地域の特産品を目立たせながら、日用品を強化しつつ、お客様が集える場所となることを目指しました。

■売場にレジャー感
 春日井市は横長の形をしていて、国道19号が横断する車社会の地域です。31万人の人口があり、持ち家比率が高いです。また、名古屋市のベッドタウンで、市内でお買い物をするより、名古屋市に出かけてしまう方が多いことが行政とお話した際に出てきた課題でした。私自身も、市内にはホームセンターやディスカウントストアは多いですが、日用品を買う場所や、遊びに行く場所が少なく感じ、週末は名古屋へ遊びに行っていました。
 今回の出店に際して、地域のお客様の日常使いの店舗であること、そして週末はご家族でいらっしゃるお客様に向けてレジャー感(非日常感)のある店舗を目指して売り場づくりをしてきました。「日常使い」というのは、日用品を強化することが必要ではありますが、ただ単品陳列をするのではなく、少しだけレジャー感を持たせる必要があると考えましたので、屋台什器を使い大通りに連続して設置していきました。
 また、中央広場では「ヒト・モノ・コト」の集まる場所として、地域の皆さんの活動や行政の活動が日替わり、週替わりで紹介できるように売場、スケジュールを組み立てています。週末、ご家族でいらっしゃる目的になり、日常の憩いの場としてもご利用しやすい場所になっていければと思っております。


■自分が住んでみて、生の声を行政に届ける
 着任してから実際に春日井に住み、そして、自分の足で歩いてみて、住んでいる人たちに声をかけてみることから始めました。「困っていることはありませんか?」と聞いても、みなさん「住みやすい街ですよ」「特に困っていることはないですよ」とおっしゃいます。外から来て、住んでみるからこそ感じる、地域の課題感を「こうしたら良いのに」という解決策まで考えてみて、それを二人で行政へ訪問しぶつけてみました。すると、行政の方々は、生の声や新しい取り組みの起爆剤となる何かを求めているので、無印良品が「地域の役に立ちたい」と本気で話すと、本音で話してくださります。企業と行政ではありますが、想いや目標を共有することで、地域を盛り上げるための同志になれたと思っています。
 今になってみると、課題感と一緒に、解決策も考えて持っていったことが鍵になったと感じています。

■信頼を築いてできたこと
 想いを共有したけど、それを継続的に進めていくことに壁を感じました。行政は縦割りで、しかも定期的に担当者の配置換えがあり、プロジェクトが止まってしまったり、リセットされてしまう課題がありました。各部署の方々とお話するなかで、春日井市と良品計画での取り組みを継続していくためには、その課題を超える必要があり、その方法として春日井市との地域連携協定のお話が出てきました。
 目指す目標を共有し、行政側からそういった提案をいただけたことは、地域連携担当の林さんが毎日のように訪問を繰り返し、信頼を得た結果だと感じています。

■今後の目標
<店舗>
 地域のみなさまが身近に感じていただける店舗にしていきたいと思っています。
 気軽に毎日や毎週のようにご来店いただき、生活に必要な商品をいつ来ても購入いただけて、地域の方々がつながる場所になっていきたいです。働くスタッフもほとんどが春日井市の住民なので、スタッフとお客様との間にもコミュニケーションが生まれてくると、無印良品をより身近に感じていただけると思います。これからは、中央広場や屋台什器、キッチンカウンターなどを活用して直接のコミュニケーションを増やしていく計画をしています。

<遠藤さん>
 地域の事業部化を考えています。春日井市内ではまだ、イーアス春日井一店舗しかありませんので、市内全域のお客様に近づいて出店をしていければ、更につながりを深くしていけると考えています。

<林さん>
 更に地域に入り込んでいき、産官学を巻き込んで春日井市の住民の方々がこれまで以上に「感じ良いくらし」を実現できるように役に立ちたいです。また、春日井市のコミュニティマネージャーとなっていければ考えています。